きがた組 衣装担当
翁格子 コロナ渦の2年間まだお披露目していない衣装があります。
歌舞伎十八番の内 勧進帳の主役 武蔵坊弁慶が羽織る黒の水衣(みずごろも) の下に着る衣装です。
この衣装の柄を翁格子と言います。
弁慶が着ているので弁慶格子と間違えることがありますが弁慶格子は、『義経千本桜』いがみの権太が着ている衣装になります。
翁とは、歌舞伎や能で演じられる三番叟で登場する歳をとった老人のことです。
太い黒の筋が翁で細い緑や茶色の筋が孫を守っている様子に見立てて付いた名前ともいわれているそうです。子孫繁栄を願っためでたい柄となっています。
この柄の生地は、長年手に入れることはできませんでした。
昨年一から時間をかけ柄を人形の寸法に合わせて構成し生地から製作し衣装を仕立てました。
水衣から首回りや袖部分しか見えない衣装ですが、とてもこだわりの衣装となります。
いつか日の目が浴びるのを楽しみにしています。